2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560568
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小林 克巳 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (40150297)
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Keywords | 耐震補強 / 地震被害 / 脆弱建物 / インフィルブロック壁 / 穴あきブロック / 連続繊維補強材 / 途上国支援 / 国際貢献 |
Research Abstract |
穴あきブロックでインフィル壁を有するRCフレームを、連続繊維ストランド束を縫い付けるように取り付けていく方法で補強した時の力学的挙動については、インフィルブロック壁を取出した壁板の実験により、補強効果に関する基本的情報が得られることがわかっている。そこで、適用地域で調達できる繊維を考えて、剛性が小さいところまで範囲を拡大し、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維からビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維まで種類を増やして実験データの蓄積を図った。繊維の剛性が小さくなると、繊維の剛性に見合った耐力増加しか得られないが、変形能力の向上は同じように期待でき、これまでに提案した解析モデルで表わせることが分かった。 補強対象建物のインフィルブロック壁の量を把握するために、トルコにおけるRC造集合住宅のインフィル壁の量について検討行った結果、耐力増加を期待しなくても、変形能力を向上できれば、倒壊を防いで終局安全性を確保する補強ができそうなことを確認した。インフィルブロック壁でさえその量が不足している建物に対しては、地震エネルギー吸収デバイス型のPCa板を試作し、接着型のコッターを介して既存建物に取り付ける方法を検討した。効果の確認実験の範囲に留まるが、PCa板と接着型コッターを安価に作れれば有力な方法であることを確認した。 実用技術に近づけるため、トルコ中東工科大学で今後実施する耐震補強方法の実験の中に、本提案を取り入れるための実験計画についての検討も行った。
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