2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560571
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑原 進 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10243172)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向出 静司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20423204)
|
Keywords | 鋼構造 / 柱梁接合部パネル / 異形パネル / 段違いパネル / 崩壊機構 / 全塑性耐力 / 直交梁 |
Research Abstract |
鋼構造における柱梁接合部において,左右の梁せいが異なる場合の接合部パネル(段違いパネル)を研究対象とし,昨年度は既往の実験結果がなかった,柱が円形鋼管の片側段違いパネル(左右の梁の一方のフランジ位置が同じ場合)と,柱が角形鋼管の両側段違いパネル(左右両側の梁せいと梁フランジ位置が異なる場合)の実験を行い,剛性・耐力の提案式と良好な一致をみることを示した.しかしながら設計で想定した鋼材の降伏応力度と試験体の実勢値が異なったため,想定していたパネル全体が塑性化する崩壊機構を得ることができなかった. そこで本年度は,あらためてパネル全体の塑性化を想定した試験体により改めて実験を行ったところ,円形鋼管片側段違いでは想定通りの崩壊機構が得られ,角形鋼管両側段違いパネルでは,パネルフランジの面外変形を伴うあらたな崩壊機構が生じることが明らかとなった.実験結果と有限要素解析結果にもとづき,あらたな崩壊機構の想定とそれより導かれる耐力式の提案を行い,実験結果との良好な一致を示した.これにより日本建築学会「鋼構造接合部設計指針」に掲載されている従来の段違いパネルの剛性・耐力式を円形鋼管パネルならびに,両側段違いパネルに拡張することが可能となった. また,段違いパネルにとりつく直交梁の影響について,有限要素解析結果に基づいて検討したところ,剛性耐力に及ぼす影響は数%程度であり,設計においてはほとんど影響がないことが明らかとなった.
|