2009 Fiscal Year Annual Research Report
暴風雨発生装置による瓦葺屋根の防雨性能に関する研究
Project/Area Number |
19560573
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
岡本 覚 Shimane University, 総合理工学部, 教授 (10204033)
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Keywords | 風工学 / 流体 / 雨 / 風洞実験 / 瓦屋根 |
Research Abstract |
かわらに関する災害は暴風に留まらず,漏水災害も重要な課題となっている.研究代表者は,かわらが風の影響を受けて飛散に至る前兆現象に出現する振動に着目し,振動のメカニズムの解明を行ってきた.その結果,流れにより誘起されるかわらの振動発生の機構や口開け現象についてまとめることが出来た.これらの成果をふまえ,本研究では従来までの漏水量の把握に留まらず,これまでに明らかにされてこなかった振動が及ぼす漏水の影響を調べることを目的として,漏水現象の発生機構の究明及び試験方法の確立を目指し,加速度センサとビデオカメラによる計測を行った.実際の暴風の風速に相当する最大風速約40m/sの風洞実験装置と2種類の散水装置及び実物かわらを使用して実験を行った.主に使用した計測機器として,2個の加速度センサを2枚の実物かわらの裏面へそれぞれ取り付け,加速度波形の時間変化及び振動の周波数解析を行った.同時にビデオカメラによるかわら屋根の表面,裏面の漏水の様相を撮影した.その結果,風速の増加に伴う漏水量を定量的に計測することができ,漏水現象に影響を及ぼすと考えられる振動を周波数解析結果より特定することが出来た.具体的には,以下のことがわかった. (1) かわらを葺いた模型屋根に見られる漏水箇所は,かわらの振動や飛散が発生する場所とほぼ同じ場所であることがわかった. (2) 風速増加による漏水量の値を定量的にまとめることができた. (3) FFTの周波数解析から,低周波数振動がかわらの浮き上がりや飛散に大きな影響を及ぼし,その結果,漏水にも影響を及ぼすことがわかった.
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Research Products
(2 results)