2007 Fiscal Year Annual Research Report
日米鉄骨構造における冗長システムの損傷集中抑制効果と倒壊時性能評価
Project/Area Number |
19560574
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木村 祥裕 Nagasaki University, 工学部, 准教授 (60280997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 直 国土技術政策聡食研究所, 建築研究部, 主任研究官 (50370747)
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Keywords | 日米鉄骨構造物 / 層間変形集中率 / 柱材曲げ剛性・曲ぎげ耐力 / 耐震性能評価 |
Research Abstract |
本研究では、地震外力を受ける標準的な日米鉄骨構造物の耐震性能を比較し、両構造物の優位点を明らかにする。日米のラーメン構造(MRF,Moment Resisting Frame)、日米の座屈拘束ブレース構造(BRBF,Buckling-Restrained Braced Frame)を比較した場合、それらの設計に大きな違いが見られる。米国のAISC Code Provision(2005,Draft)によると、BRBFはDual Systemでなければ架構は剛接合とする必要はなく、各層に履歴吸収エネルギーの高い座屈拘束ブレースを配置したとしても、層間変形集中を生じる可能性がある。一方、米国の鉄骨構造物に見られるGravity Columnは、静的解析では見られない層間変形集中の抑制効果を発揮するものと思われる。 これまでに申請者が行ってきた研究を元に各部材の履歴挙動のモデル化を行い、部材レベルと層レベルの挙動の関係を明らかにし、損傷集中の予測方法を提示した。さらに、特定部位への損傷集中及び特定層への層間変形集中を抑制し、耐震性能を向上させるために、高さ方向への応力分散機構として弾性トラス芯材の適用を検討した。ここで、弾性トラス芯材の最下層の柱脚をピン支持とし、芯材のベースシアの負担率が小さくなる機構とする。すなわち、各上下層のせん断力の差により生じる層間変形集中を抑制する役割のみを担うものである。構造物の規模や形状に対してこのような弾性柱材の配置条件を定め、層間変形集中率と柱材に要求される曲げ剛性・曲げ耐力との関係を明らかにすることで、構造物の損傷集中を抑制する指標を提示した。
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