2007 Fiscal Year Annual Research Report
水平2方向地動を受ける鋼構造骨組の地震応答性状に関する研究
Project/Area Number |
19560576
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小川 厚治 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80112390)
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Keywords | 地震応答 / 鋼構造骨組 / 立体骨組 / 水平2方向地動 / 柱梁耐力比 / 合成梁 / 最大層間変位角 / 付加軸力 |
Research Abstract |
本研究では、3次元問題として検討すべき最も重要な課題として、次の2つを挙げている。(1)構面から45度傾いた方向の水平力に対しては2方向の梁が同時に抵抗するので相対的に柱が弱い骨組になるという柱梁耐力比の問題、(2)隅柱に生じる付加軸力の評価。 まず、動的水平力の特性について検討した。過去の地震記録を用いて、水平2方向地動をうける1質点弾性系の応答について調べた結果、最大応答値が生じる方向は固有周期や減衰定数によって変動するが、スペクトル強度が最大となる方向を強軸(勢力の強い方向)と考えるのが適当であることなどを示した。また、高さ方向の水平力分布についても検討し、速度応答スペクトルを周期にかかわらず一定と考えて、モード重畳法解析から求めた値を用いるのが適当であることを示した。 (1)の課題である柱梁耐力比の問題に関しては、水平2方向に梁をもつ魚骨形骨組を用いた広範な地震応答解析結果に基づいて検討した。その結果、任意方向から水平2方向地動を入力したときに生じる層間変位角の最大値は、構面方向と、構面から45度方向に強軸地動だけを入力ときの応答値の大きい方の値で近似できることなどを明らかにした。 また、柱梁耐力比を論じる際には、コンクリートスラブによる合成効果の影響が問題となるが、この点については以前から検討を進めており、本研究の一環としてこれまでの合成梁に関する研究を総括している。 (2)の問題として挙げた隅柱に生じる付加軸力の評価については、上記の2方向水平力の特性や、高さ方向の水平力分布に基づいて理論的な検討を進めているが、未だ公表に値する明確な成果には至っていない。
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Research Products
(10 results)