2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒートアイランド対策に有効な反射指向性を有する太陽熱高反射材の開発
Project/Area Number |
19560578
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
酒井 英樹 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 講師 (90277830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊與田 浩志 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10264798)
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Keywords | 再帰反射 / 日射反射率 / ヒートアイランド / 都市環境 |
Research Abstract |
再帰反射材料の日射照り返し抑制効果に注目し、ヒートアイランド対策用建材として利用することを目的として、日射反射特性の評価を行った。再帰反射性を発現する代表的な機構として、プリズムの反射を利用するプリズム型と、球状レンズの屈折を利用するカプセルレンズ型および封入レンズ型とがある。本研究では、これら反射材の分光反射率および反射指向性の測定を行い、発現機構によって、その日射反射特性が大きく異なることを明らかにした。 まず、プリズム型再帰反射材は、入射角が小さい条件(15°程度まで、垂直入射を0°とする)では、反射強度が他の発現機構にくらべて、2倍以上あり、概して再帰反射特性に優れている。しかし、入射角が大きくなると反射強度が急激に低下する。これは、反射の際の損失は小さいが、臨界角を超えるとその反射機構が働かなくなるというプリズム機構に特有の反射特性と考えられる。一方、カプセルレンズ型および封入レンズ型の反射強度は、プリズム型と比べて劣るが、入射角依存性が比較的小さく、入射角45°程度までは目立った反射強度の低下が見られない。これは、球状レンズによって屈折・集光した光がアルミ蒸着膜で反射し、再びレンズで屈折され再帰的に反射するという機構であるため、反射する際に蒸着膜で一部吸収されることで、反射効率は低下してしまうが、球状レンズのために臨界角が広く、入射角依存性が小さくなっていると考えられる。 また、塗料にガラスビーズを混ぜることで、封入レンズ型に匹敵する反射強度を有する再帰反射塗膜の試作に成功した。
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