2009 Fiscal Year Annual Research Report
サーモグラフィによる回転貫入杭の施工性及び支持力評価に関する研究
Project/Area Number |
19560579
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
藤井 衛 Tokai University, 工学部, 教授 (70130094)
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Keywords | サーモグラフィ / 回転貫入杭 / 施工性 / 可視化 / 支持力 / 模型実験 / 含水比 / 貫入速度 |
Research Abstract |
本年度は、室内にて回転貫入杭を用いて、2種類の実験を行った。1つは、回転貫入杭の貫入速度と周辺の土の乱れを調べた。羽根の径は73.2mm、ピッチは7.45mm、軸径は48.2mmである。この模型杭に対して、貫入試験を実施し、その後、押し込み実験を行った。貫入時、押し込み時とも直径260mm、高さ500mmの2つ割れの鋼製土槽の中に赤色に着色した層を設けた砂を詰め込んだ。貫入時においては300mmの深さまで杭を回転埋設させ、その後、型枠の一方をはずして断面を整形し、その断面に対してサーモグラフィにより温度分布を撮影するとともに、断面部に土壌硬度計を当て、断面部分の強度分布を調べた。また、土槽底部に土圧計をセットし、押し込み力やトルク及び貫入に伴って発生する土の圧力を調べた。貫入速度は、45mm/min、90mm/min、180mm/min、270mm/minの4種類とした。その結果、45mm/minと90mm/minの貫入速度では杭周辺の土が締固まる現象を示したが、180mm/minと270mm/minでは明らかに、周辺の土が乱れる範囲をサーモグラフィでとらえることができた。着色砂層のみでは、乱れの有無しかとらえられなかった。もう1つの実験は、軸径(48.2mm)のみ同じで、羽根径やピッチが異なる6種類の杭について、押し込み実験を行い、サーモグラフィによる温度分布図と土壌硬度計による貫入抵抗分布及び極限支持力度を求めた。その結果、杭先端直下の圧縮領域は、サーモグラフィによって明確にとらえることができ、圧縮領域の大きさは極限支持力の大きさと明確な関係があることを見出した。また、圧縮領域の大きさは杭先端の羽根の形状によって大きく影響を受けることがわかった。以上のように、これまで、不明確であった回転貫入杭の施工性及び支持力特性をサーモグラフィを使用することにより、明確に表すことができた。
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Research Products
(2 results)