2008 Fiscal Year Annual Research Report
浮屋根式円筒タンクの地震時スロッシングによる非線形応答に関する研究
Project/Area Number |
19560582
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
末次 宏光 Nihon University, 理工学部, 教授 (90059775)
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Keywords | 円筒形タンク / スロッシング / 地震応答 / FEM解析 / ナビエ・トークス方程式 |
Research Abstract |
液体貯槽タンクの耐震性能評価の最も重要なものに、スロッシング問題がある。タンク内の液体の固有周期と地震加速度の周期が一致すると大きなスロッシングやスワーリングが発生し、大災害に至ることがあり、過去に於いてもそのような被害報告が行われている。最近注目されている地震動に長周期地震動がある。大型液体貯槽タンクの固有周期は比較的大きくなるので、大型液体貯槽タンクではより一層の被害がもたらされる可能性がある。さらに、このような場合には、スロッシングは大振幅になる可能性があるために、流体の支配方程式として非線形式採用することが望ましい。このことから、本研究では支配方程式にナビエ・ストークス方程式を採用し、スロッシングの非線形解析を可能にしている。 スロッシング解析では、FEMを使って空間離散化を行うために、スロッシングとともにメッシュの移動を行うという手法を計算アルゴリズムの中に組み込んでいる。浮屋根のモデル化として円形の弾性板として扱い、ナビエ・ストークス方程式との連成解析を行うように定式化が図られている。 スロッシング解析では、EWとNSの2方向成分の地震波を用いた貯槽タンクのスロッシング解析結果をアニメーション化し、その振動の様子を時間進行とともに捉える事が出来た。この結果から、液面の振動性状は単純な振動ではなく複雑な振幅となる事を確認した。また、シングルデッキの応力性状に相当な影響を与えることが想定できる。シングルデッキを想定した薄板の振動が可能となるプログラムの開発を行い、基本的な計算を行った。しかし、境界条件の設定の仕方やポンツーン部の解析にはまだ不十分な点が残されており、今後の検討事項である。
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Research Products
(1 results)