2008 Fiscal Year Annual Research Report
湿気に由来する建物問題(湿害)の評価方法に関する研究
Project/Area Number |
19560601
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 真奈美 Osaka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (90249780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 暁 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20301244)
小椋 大輔 京都大学, 工学(系)研究科, 助教(研究員) (60283868)
尾崎 明仁 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (90221853)
香川 治美 北九州市立大学, 国際環境工学部, 研究員 (50405544)
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Keywords | 建築環境・設備 / 解析・評価 / 省エネルギー |
Research Abstract |
現実には実害発生がない場合を多く含んで「湿害」とよび、現象を過剰に排除しようとする例が多く見られる一方、明らかな「湿害」にもかかわらず、実害認識を持たず見過ごし、建物や人体に大きな損害をこうむる例も多い。本研究は、このような「湿害」認識の混乱収拾に耐えうる、湿害の定義と評価方法(湿害マトリックス)の提案を目的としている。 平成19年度に最終消費者の「湿害」に関する意識(調査対象地域は福岡県、熊本県、大阪府、滋賀県、兵庫県、関東の諸県、岩手県、北海道である。)について調査協力者による対面調査を行い、各地域ごと100から300の計1000件程度の回答を得た。20年度は回収した回答から湿害の地域特性分析と最終消費者意識の抽出を行うためのデータベース作りをおこなった。居住者が持つ湿害の意識を建物部位・部材で発生する諸現象(16)に対する、提案した4意識(建物の耐久性・居住者の健康・使い勝手・見た目に影響する)の回答で評価した。回答された意識を定量化し湿害被害強度と定義した。この湿害被害強度と部位・部材、現象の関係を評価することで消費者が湿害と判断する現象と部位・部材の関係を整理する作業をおこなっている。この結果を今後湿害マトリックスに反映させる。さらに、調査住宅内での水分の発生量、排出量を生活行為とその継続時間の積から推測し、湿害意識を定量化した湿害被害強度と生活行為の関係を分析中である。 以上、これまでに得られた知見と継続して行っている評価を建築学会環境工学委員会湿害評価WG(21年度に建物の「湿害」評価システム検討WGへ移行)にて21年度も継続して行い、2010年に実施予定の日本建築学会熱シンポジウムで成果発表を行うことを予定している。
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