2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560602
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
崔 軍 Kinki University, 工学部, 准教授 (90320340)
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Keywords | 空調負荷 / 除去熱量 / 温冷感 / PMV / 単室モデル |
Research Abstract |
現在の空調システム設計の基礎となる空調負荷計算法は、居住者の温冷感を考慮せず、便宜的に一定の室内空気温湿度が維持されたときに室内空気への伝達熱量を計算し、それをその時刻の空調負荷としているため、空調負荷と居住者の温冷感との関係が明確でない問題が残されている。本研究は、室内空気温湿度のみでなく、居住者の温冷感にも着目し、居住者の一定の温冷感を確保するときの除去熱量を空調負荷とした新しい空調負荷計算法の開発を目指すものである。 1.関連研究についての文献調査 現在使われている各種の負荷計算法について文献調査を行い、それぞれの特徴を調べた。 2.単室モデルの構築(成果をまとめて学会発表を行う) 屋根、床、開口部および壁で構成された建物(単室モデル)について、数学モデルを構築した。従来の負荷計算では、室内空気温度が設定値となったときに周辺の壁体から室内空気へ流入する熱量が空調負荷と定義されているため、空調負荷と温冷感は外界気象条件に追従して変動する。温冷感を考慮した負荷計算では、居住者の温冷感が維持されるときに室内空気や壁体内表面から除去すべき熱量を空調負荷として定義しているため、負荷と室内空気温度は外界気象条件に追従して変動するが、居住者の温冷感は安定する。 3.単室モデルの計算プログラムの作成 上記の単室モデルについて計算プログラムを作成した。室温や壁体内表面温度を変化させることによって一定の温熱環境を形成させることができるが、今年度は室温のみを変化させて一定の温冷感を維持する場合について検討した。 4.輻射環境実験室を利用した予備実験の実施(成果をまとめて学会発表を行う) 温冷感に対する、輻射パネルからの距離、パネル表面温度および空気温度の影響について実験を行った。
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