2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560602
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
崔 軍 Kinki University, 工学部, 准教授 (90320340)
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Keywords | 温冷感 / 空調負荷計算 / PMV / 除去熱量 / 基準室モデル |
Research Abstract |
本研究は、室内空気温度のみでなく、居住者の温冷感に着目し、居住者の一定の温冷感を確保するときの除去熱量を空調負荷とした新しい空調負荷計算法の開発を目指したものである。昨年度の研究結果を踏まえて今年度は主に以下成果を得た。 (1)2007年度の単室モデルを拡張して基準階の基準室モデルを構築(成果をまとめて雑誌に投稿。採用決定) 基準階の基準室モデルを用いたシミュレーションより以下の知見を得た。 (1)新負荷計算法による計算結果は、居住者の温冷感を考慮していない現行の負荷計算法の結果と異なる。今回の条件設定では、室温25℃の現行の負荷計算に比べて、空気から熱を除去する場合の新負荷計算(PMV=0)のほうは年間冷暖房処理熱量が約20%高くなることがわかった。 (2)新負荷計算法では、熱を除去する部位によって空調負荷が変わることがわかった。今回の計算条件では、天井から熱を除去する場合は、空気からの場合より負荷が約25%大きくなったが、床からの場合より負荷が約26%小さくなった。 (3)新負荷計算法では、居住者の位置によって負荷が変わる。今回の計算では約6%の差が生じた。 (2)実験室実験(成果をまとめて学会発表を行う) 今年度は、壁放射パネル(1面)を利用して実験を行い、以下の知見を得た。 (1)パネル表面平均温度が30℃の場合、被験者と放射パネルの距離が0.5mから1.5mに変化すると、平均放射温度は0.7〜1K、PMVは0.1〜0.2低下し、被験者の温冷感申告は若干低下することが確認された。 (2)パネル表面平均温度が32.5℃の場合、被験者と放射パネルの距離が0.5mから1.5mに変化すると、平均放射温度は0.7〜1.2K、PMVは0.0〜0.1低下し、被験者の温冷感申告は若干低下することが確認された。 (3)パネルからの距離が1.5mの場合、壁面温度30℃より32.5℃のほうがエネルギー消費量は約半分に削減できる。
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Research Products
(4 results)