デンマークとの比較による「生活支援型高齢者住宅」の住宅・生活サービス条件の検討

2007 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19560615
• Research Institution: Aichi University of Education
• Principal Investigator: 小川 正光 Aichi University of Education, 教育学部, 教授 (80126929)
• Keywords: 高齢者住宅 / 生活サービス / デンマーク

Research Abstract

本年度は,「住宅」と「生活支援」とを分離しつつ連携させている形態を先駆的に実施しているデンマークの高齢者住宅、居住施設について現地調査を行い,(1)高齢者向け住宅事例の訪問と,(2)住宅供給と生活支援サービスに関する文献の収集による制度の検討を行った。
採択された時期が遅れたため,デンマークを訪れることは1回しかできなかった。この訪問時に,近年に供給された高齢者向け住宅事例について,現地における見学と資料収集の調査を実施した。その結果,以下のことが明らかになった。
「住宅」と「生活支援」とを担当する部局は分離されており,どこで居住する場合でも生活サービスは保障されるため,「施設」がなくなり,住宅担当部局では計画内容の向上に集中していること,数年前と比較すると住宅規模は格段に拡大し,特に,便所、浴室などの設備部分の規模が大きくなっているという実態が把握された。
このような高齢者住宅を計画、供給する上で基礎となるデンマークの「公営住宅法」全文の翻訳を,現地居住の日本人に依頼して行った。公的補助の範囲,許容される住戸規模,設備基準,供給組織,費用負担などの諸点について実態を明らかにしたが,我が国との比較を通じた分析、検討を,継続して行っていく必要がある。