2007 Fiscal Year Annual Research Report
景観法の併用による伝建地区の広域景観コントロール手法の考察
Project/Area Number |
19560616
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
浅野 聡 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70231892)
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Keywords | 伝統的建造物群保存地区 / 重要伝統的建造物群保存地区 / 歴史的景観 / 広域景観 / 歴史的町並み保全 / 景観法 / 景観条例 / 景観計画 |
Research Abstract |
平成19年10月現在までに全重伝建地区として選定されている79地区(68市町村)を対象として,重伝建地区及び周辺に対する広域景観コントロール手法の実施状況の把握及び関連資料の収集を目的としたアンケート調査を行った結果,66地区(58市町村)から回答を得ることが出来た。アンケート調査の協力が得られなかった市町村に対しては,平成20年度に再度,協力依頼を行う。主な研究成果は以下の通りである。 第一の研究成果は,大量のアンケート調査結果をもとに,重伝建地区および周辺地区における広域景観コントロール手法を一覧できる図面を作成し,地区ごとの広域景観コントロール手法を俯瞰できるデータを作成したことである。 第二の研究成果としては,地形条件と市街地形態の組み合わせから広域景観特性を類型した結果,13類型を導き出したことである。13類型とは,山腹型(面的街路町並分散型),谷間型(線的街路町並連続型、面的街路町並連続型、面的街路町並分散型),山麓型(線的街路町並連続型、面的街路町並連続型),平地型(線的街路町並連続型、面的街路町並連続型),海辺(谷間)型(線的街路町並連続型),海辺(山麓)型(面的街路町並連続型),海辺(平地)型(面的街路町並連続型),島(中心集落)型(面的街路町並連続型),島(海辺)型(面的街路町並連続型)である。 第3の研究成果は,広域景観特性の類型と景観コントロール手法の相関性について分析した結果,13類型ごとの特徴と傾向を把握した上で,全体としては,「市街地景観+自然景観」,「市街地景観」,「集落+自然景観」,「島の集落+自然景観」の4類型に大別できることを導き出したことである。また類型ごとの先進地区も選出した。 以上の研究成果によって,従来,十分に明らかにされてこなかった全国の重伝建地区の広域景観特性の全体像を俯瞰できた点に大きな意義があると考えている。
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