2008 Fiscal Year Annual Research Report
景観法の併用による伝建地区の広域景観コントロール手法の考察
Project/Area Number |
19560616
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
浅野 聡 Mie University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70231892)
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Keywords | 伝統的建造物群保存地区 / 重要伝統的建造物群保存地区 / 歴史的景観 / 広域景観 / 風土 / 景観法 / 景観計画 / 景観条例 |
Research Abstract |
平成19年度に実施した関連資料収集およびアンケート調査結果をもとに、重伝建地区の地形条件および市街地形態の組み合わせによる重伝建地区および周辺地区の広域景観特性の類型結果について精査した結果、地形条件として9類型(山腹型・谷間型・山麓型・平地型・海辺(谷間)型・海辺(山麓)型・海辺(平地型)・島(中心集落型)・島(海辺) 型)、市街地形態として3類型(線型街路町並連続型・面型街路町並連続型・面型街路町並分散型)、両者を組み合わせると13類型となることを確定した。 しかし精査の過程の中で、以上の分析では、広域景観特性に大きな違いがあると考えられる異なる気候条件の重伝建地区が同一の類型に属する結果となっていることが課題として上げられた。そこで広域景観特性の形成に大きな影響を与えていると考えられる気候条件を加味して類型を行うことを研究方法および内容として追加した。追加分析の結果、気候条件としては、3つの気候要素(降水・降雪・風)が重要になることを把握し、降水量では3類型(多降水量地域・中降水量地域・少降水量地域)、降雪では3類型(特別豪雪地帯・豪雪地帯・非豪雪地帯)、風では2類型(強風地域・非強風地域)、更に3つの気候要素を組み合わせると17類型となることを導き出した。 以上の分析結果から、地形条件および市街地形態の組み合わせによる13類型と気候条件による17類型を組み合わせると、本研究の対象としている全重伝建地区(79地区)は44類型に類型できることを導き出した。そして地形条件と気候条件を風土条件として定義づけ、風土条件にもとづく44類型は、重伝建地区の広域景観特性を把握する上で有効な類型であることを結論づけると共に、この類型を踏まえて広域景観特性に対応した景観計画・景観条例・伝建地区制度の組み合わせによる新しい広域景観コントロール手法の運用方針について考察した。
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Research Products
(2 results)