2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者居住施設におけるプレイス・アタッチメントと環境行動
Project/Area Number |
19560625
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 紀江 Maebashi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10295454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 ゆりか 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (20251324)
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Keywords | 高齢者居住施設 / プレイス・アタッチメント / 環境行動 / 住環境評価 / QOL維持向上 / 食事環境 / 印象評価実験 |
Research Abstract |
本研究は、高齢者居住施設居住者がその環境に対して抱くプレイス・アタッチメント(場所への愛着)に着目した住環境評価を提案し、これをもとに、個人のプレイス・アタッチメントの様相と生活の質について、環境行動との関連から考察を行う。本年は、(1)プレイス・アタッチメントに関連した住環境評価手法に関する検討、(2)評価方法開発に関わる検討を行った。また、(3)研究成果の一部を、海外学会(2008IAPSconference)で発表し、意見交換をするための論文作成を行った。 (2)に関しては、「愛着」の根源となる因子を探るため、場所や場面の印象に着目した実験を計画した。居住施設での「食事場面」を第三者がどのような印象で捉えるか、学生を被験者に実施した。被験者には日韓の類似した規模、条件の3施設における食事時間のビデオ画像を示した。日韓交えた3施設の印象評価実験の回答の分散傾向は、学生は異なる文化的な背景を持った資料に対しても一定の体験をしていると理解され、実験の妥当性を示している。主な結果として以下のことがあげられる。(a)食事場面の印象評価、場所の印象評価双方で、日韓の国の違いによる評価傾向の差は認められず、「伝統性」の有無等が施設間の評価傾向の類似性に寄与していた。即ち、人々がある場面に対して抱く印象に、伝統性が深く関わるということを示している。(b)場面の印象から得る「楽しさ」は、必ずしも「清潔さ」や「整理」「広さ」といった物理的な条件を必要としない。これは、環境を「評価」する場合、人が利用する場面に着目させることの意味を示すものと考えられる。(c)印象評価実験の結果は、など、示唆に富むものであった。また、ビデオ画像の提示方法を個別繰り返し視聴と一斉一回視聴で同様の実験を行い、実験方法についての検討を行った。双方には体験に差は存在するが、実験自体は同様に成立することが示唆された。
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Research Products
(1 results)