2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者居住施設におけるプレイスアタッチメントと環境行動
Project/Area Number |
19560625
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 紀江 Maebashi Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10295454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 ゆりか 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20251324)
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Keywords | プレイスアタッチメント / 高齢者居住施設 / 環境行動 / 住環境評価 / もの / 地域居住 / QOL / 第三者印象評価 |
Research Abstract |
本研究は、まず、高齢者居住施設居住者がその環境に対して抱くプレイス・アタッチメント(場所への愛着)に着目した住環境評価を提案する。次に、個人のプレイス・アタッチメントの様相と生活の質を示すと考えるいくつかの環境行動との関連について考察を行う。これにより、施設環境に対する居住者の「住まい」としての愛着の向上と、QOLの維持向上という目標が相関しているのかどうかを検討するものである。 研究では高齢期における施設等に移り住んだ場所が、当事者に「住まい」としての安定した意味をもたらすかどうかという考察をすることが、それぞれの人生を尊重する上で極めて重要と考え、住まいとしての安定度を「プレイスアタッチメント」の視点から捉え、調査分析を行ってきた。21年度は、以下の3つの調査実験を実施した。(1)完成したプレイスアタッチメントの評価のための質問紙を用いて、a)高齢者居住施設居住者、b)地域で健康に暮らす高齢者を対象にヒアリング調査を行った。比較対象としてc)学生に同一内容のプレイスアタッチメント調査を行った。(2)居住施設でのプレイスアタッチメントが環境行動とどのような関係を持つかを考察するために、環境行動を映す対象として「もの」に着目し「もの環境の調査」を実施した。(3)「もの環境」が第三者にもたらす印象と居住者自身のプレイスアタッチメント評価の関係を考察するための実験も実施した。 施設居住の高齢者と地域居住の高齢者、学生が現在の居住場所や地域に対して持つプレイスアタッチメントの傾向にそれぞれ異なる傾向が認められた。また、施設居住者は居室内の「もの」が多い人の方が、「住み慣れた」「住み続けたい」といった評価が高い傾向が認められるなどの結果を得た。これら平成21年度の成果は日本建築学会大会及び前橋工科大学研究紀要において速報している。また、研究成果として日本建築学会論文集への投稿を現在準備中である。
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Research Products
(2 results)