2008 Fiscal Year Annual Research Report
東京大学丹下健三研究室による東京計画1960とこれに関連する作業の今日的検証
Project/Area Number |
19560631
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
八束 はじめ Shibaura Institute of Technology, 工学部, 教授 (10365546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 道彦 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (60241014)
桑田 仁 芝浦工業大学, システム工学部, 准教授 (50276458)
岩倉 成志 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20223373)
大内 浩 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40213631)
堀越 英嗣 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70341063)
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Keywords | 東京計画1960 / 丹下研究室 / 丹下健三 / 人口地盤 / ベイエリア / 生活圏 / 地域計画 / モビリティ |
Research Abstract |
本研究は東大丹下研究室が1961年に発表した「東京計画1960」を中心としてその周辺あるいは背後に蓄積された諸研究の射程を検証しようというものである。それは通常そうとられがちなように、ただ空想的な計画構想だったのでは決してなく、当時の東京の置かれた都市的状況のアカデミックな調査研究に裏打ちされたものであった。このことは周辺の研究者、計画者の作業まで総合的に見ると理解しやすく、かつ半世紀を今日の状況からすれば一層その意義が明瞭である。そのため本研究ではまず文献を中心として歴史的な考証を立体的に行った。この中には、本学の立地でもある東京湾という特殊な地域についての歴史的、現状的分析的な検証も含まれている。更に「デザイン」という特殊な形態を如何に一般的な類型に還元し、従って手法として一般かし得るかを、今日のCG技術を通してデータを数量化することを通して検証し、かつこの計画の基盤をなしている交通計画あるいはその前提として交通工学的な把握の妥当性についても検討を行った。これらは従来殆ど行われたことのない作業であり、しかもそれが裏付けのない造形作業でしかなかったわけではなく、十分に一般化、敷衍化に耐える作業であったことを証した点で意義深いと考える。作業の後半では、丹下研が当時行っていた諸研究を現在のデータあるいは手法によって修正する形で、21世紀初頭の現在の東京の状況に引き合わせて論じ、東京圏の建築ヴォリュームとその動態、ひいては高密=高層化への今日の世界的な動向の検討など、その意義が今日なお少なくないものであることを検証した。中間的な報告を昨年度の『10+1』誌(INAX出版)に発表し好評を得たが、今年度の成果を引き続き学会等に発表する予定である。
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