2007 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの治療環境におけるアンカーポイント形成に関する研究
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19560632
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Research Institution | Joshibi University of Art and Design |
Principal Investigator |
横山 勝樹 Joshibi University of Art and Design, 芸術学部, 教授 (20230659)
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Keywords | 子ども / 治療環境 / アンカーポイント / 環境移行 / プレパレーション・ツール / ウェイファインディング / 空間認知 |
Research Abstract |
前年度交付申請書においては、まず「最初に実地調査により対象者(医療従事者、特にチャイルドライフ・スペシャリストや子どもとその親など)へのインタビューや環境要素のフィールドサーベイを行い、医療行為におけるインフォームドコンセントを実現するために必要なプリパレーションツール(絵本などの教材やインテリア計画を含む)の考察や通院・入院する子ども達の意識を分析し、手法の有効性を検証する」と述べた。 これに関しては、茨城子ども病院をフィールドとして定め、病院内のデザインサーベイを行い、子どもたちの印象に影響を与えるインテリアエレメントの抽出を行った。また同病院の特にチャイルドライフ・スペシャリストを対象としてインタビューを行い、病院の子どもたちに必要なプリパレーションツールの考察を行った。 次に「TAT(絵画統覚テスト)やSCT(文章完成法)などの投影法によるテストを参考にしながら独自の手法の開発を試みる。投影法は、一般に人間側の特性を測るためのテストであるが、本研究では、これを環境側の特性を測るテストに変換する必要がある。今年度は、この分析手法の開発と有効性の検証を主に行なう。この手法開発は、患者である子ども達と協働しながら行う絵本の制作を通して行う予定である。絵本の制作には、物語や原画作成の補助に関わる専門家にも協力を依頼をする予定である。」と述べた。 これに関しては、医療関係者などの意見を踏まえながら、病院内の空間を案内する絵本の制作を専門家に委託することとした。それをもとに、子どもたちへSCTを参考とした手法(定量化が可能なアンケート法)を試み、プレパレーション・ツールとしての絵本の有効性を測ることとした。アンケートの実施は、対象者の都合等から延期し、今年度実施する予定である。
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