2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560639
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
知花 弘吉 Kinki University, 理工学部, 教授 (80088476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀谷 義浩 関西大学, 都市環境工学部, 講師 (30319610)
翁長 博 近畿大学, 理工学部, 准教授 (20233570)
|
Keywords | 障害者 / 注視 / アイカメラ / 教室 / 提示装置 / 座席 / 歩行者 / 眼球運動 |
Research Abstract |
建築や都市空間を対象にした研究では、物理的な空間の構成要素の現状調査を行い、空間の特徴についての分析をおこなう側面がある。このようなハード面と、健常者をはじめ障害者と空間のかかわりの調査分析をおこなうソフト面がある。その両面について幅広く検討するために研究を進めてきたが、今回は人がどこを見ているかがわかる装置(アイカメラ)による実験をおこない、ハード面とソフト面の関連について考察し、現代社会では障害者と健常者の共存が一般化しつつある。そこで両者にとって快適に共存できるような建築・都市空間が望まれるものの、両者が空間とどのように関わっているかついては、まだ明らかにされていない面がある。教育施設においても健聴者と障害者がともに学びあえる支援体制と空間が求められている。聴覚障害者に対しては、ソフト面では手話通訳やノートテイカーによる支援などが浸透しつつあるが、ハード面からの支援も必要であろう。音声情報がない場合の視覚情報獲得についての研究は少ないことから、教育施設においては健聴者や聴覚障害者に配慮した情報源装置については主観的な配置にゆだねられる場合が多いと考えられる。このことから複数の提示装置がある大教室において、教授の講義を手話通訳者が通訳している映像に対し、12の座席において健聴者と聴覚障害者を被験者として実験をおこなった。その結果、情報源となる複数の提示装置に対して、健聴者と聴覚障害者との注視傾向は座席によって多少変化することが明らかになった。また、交差点での健聴者、聴覚障害者、車いす生活者について比較した結果、注視対象までの距離では健聴者は聴覚障害者より長くなる傾向にあり、車いす生活者と聴覚障害者では概ね同じ傾向であった。
|
Research Products
(2 results)