2008 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者の空間図式に関する実証的研究-居住空間構成法及び風景構成法を通して-
Project/Area Number |
19560650
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳沢 和彦 Chiba Institute of Technology, 工学部, 准教授 (60314241)
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Keywords | 建築史・意匠 / 建築計画 / 空間図式 / 居住空間構成法 / 風景構成法 / 箱庭療法 / 統合失調症 |
Research Abstract |
研究の全体構想は、人間にとって普遍的で根源的な内的原理が存在すると考えられる「発達」と「病理」の両側面から、生活空間の構成に関わる基本的な内的空間図式を実証的に解明し、これら両側面を総合して人間存在の構造に適った生活空間を実現するための有効な知見を提示することである。この全体構想の中で本研究課題の目的は病理的側面にある。すなわち、箱庭療法をヒントに考案された居住空間構成法および風景構成法を用いて、精神障害者に生活空間を構成してもらい、それらの作品群の空間構成の特徴を明らかにし、そこから生活空間の構成に関わる彼らの空間図式に関する知見を得ることである。このような目的のもと、平成20年度には以下のような研究成果を得た。1、精神科病院にて精神障害者と調査者との1対1での状況の下、居住空間構成法及び風景構成法による作品制作を遂行した(昨年度からの継続)。2年間で統合失調症者56事例、てんかん性精神障害者4事例、躁鬱病者1事例、うつ病者1事例、看護師4事例の計66事例の作品を得た。2、現場観察メモ等より、事例の特徴記述を遂行した(昨年度からの継続)。3、担当医に対するインタビュー調査等による制作者の生活史的背景を把握した(昨年度からの継続)。4、「作品」「事例の特徴記述」「制作者の生活史的背景」のデータベース化を行った(昨年度からの継続)。5、統合失調症者の風景構成法において、特に「枠」と川との関係に着目して類型化を行い、その空間構成の特徴を明らかにした。6、統合失調症者の居住空間構成法において、特に壁構成に着目して類型化を行い、その空間構成の特徴を明らかにした。7、統合失調症者の居住空間構成法及び風景構成法における空間構成の対応関係を把握することにより、その基底に存在すると考えられる彼らの内的世界の空間図式の検討を行った。 なお上記5、6について、それぞれ雑誌論文にまとめて発表を行った。
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Research Products
(2 results)