2008 Fiscal Year Annual Research Report
鉄合金のα/γ界面移動に及ぼすSi, Mn複合添加の効果
Project/Area Number |
19560660
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
榎本 正人 Ibaraki University, 工学部, 教授 (70241742)
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Keywords | 鉄合金 / オーステナイト / フェライト / 合金元素 / 強磁場 / 核生成 / 成長 |
Research Abstract |
前年度にひき続き、Fe-0.1C-3Mn-1.5Si合金を用い、磁場オンとオフ、及びγ域における強加工を施して、γ→α変態を起こさせ、生成するフェライト粒子の数、大きさ、および組成(Mn、Si濃度)を測定した。加工熱処理は圧下率を25%とし、570-810℃までの広い範囲でいろいろな時間等温保持し、生成する微細なフェライト粒子の組成をTEM-EDXで観察した。570-710℃ではフェライト中のMn、Si濃度はほぼバルク濃度と同じで、これらの合金元素は母相と生成相の間で分配していない。710℃以上では生成するフェライト粒子が小さすぎて、分析ができなかったため、圧下率を50%として、等温保持を行なった。その結果、MnとSiの分配が起こっていると見られるが、次年度で詳細な熱力学的な解析をする予定である。 8テスラの磁場中熱処理では、同合金のTTT-曲線を磁場オンとオフで完成させた。磁場により、曲線は短時間側にシフトしたが、双方にTTT曲線には浅いベイが生じた。磁場オンにおけるベイ温度は磁場オフに比べ、〜20℃上昇している。上昇の幅は、速い変態と遅い変態の境界温度の上昇とほぼ同じであり、熱力学的な安定性(相境界)のシフトが主要な原因と思われる。また、TTTベイを有するFe-C-Mo合金でも磁場によるベイ温度の上昇が見られたが、MnとSiの共偏析による成長抑制作用の結果、Moと同様な効果が表れたと考えられる。
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Research Products
(3 results)