2009 Fiscal Year Annual Research Report
鉄合金のα/γ界面移動に及ぼすSi、Mn複合添加の効果
Project/Area Number |
19560660
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
榎本 正人 Ibaraki University, 工学部, 教授 (70241742)
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Keywords | 鉄合金 / オーステナイト / フェライト / 合金元素 / 強磁場 / 核生成 / 成長 |
Research Abstract |
前年度は加工フォーマスターにより、Fe-0.1C-1.5Si-3Mnを1200℃で5minオーステナイト化後、保持温度に急冷し、歪量25%と50%で圧縮後、その温度で保持し生成するフェライトの粒子径とフェライト中とその周辺のMn、およびSi濃度のSTEM-EDX分析を行なった。今年度は4元合金の局所平衡理論により、合金元素の分配とフェライト粒子の成長速度を計算し、上記実験結果と比較した。解析の主眼は4元合金における局所平衡界面濃度の算出にある。以前、申請者はCoatesの式を解いていたが、計算方法が複雑で数値解が求められないこともあった。今回はThermo-calcにより簡便に計算する方法を考案し、従来法と比較した。オーステナイトを加工すると、高温で変態させても微細なフェライト粒組織が得られる。これは、Ae3点(~820℃)より~150℃以下くらいまではフェライトが生成するためには、MnやSiの分配が必要であり、これがフェライトの成長を遅くし、フェライト粒子の微細分散が得られる原因と結論付けた。Fe-0.1C-3Mn合金については、磁場中で熱処理を行い、フェライトの成長が強磁場により促進されることを報告した。系統的なデータで示したのはこれが始めてである。これについても局所平衡理論を用いて解析を行った結果、促進効果が磁場によりフェライト相が安定化する熱力学的効果によるものであると結論付けた。
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Research Products
(4 results)