2008 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子などの微細構造を利用したα"-Fe16N2の磁気異方性の研究
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19560661
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
喜多 英治 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80134203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 英人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50302386)
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Keywords | 鉄窒化物 / 強磁性 / 磁気異方性 / ナノ粒子 / 共沈法 / 均一沈殿法 / 鉄酸化物 / 磁気トルク |
Research Abstract |
20年度は目的である「大きな粒径の均一な窒化鉄粒子生成」に向けて、さらに現実的な大粒径酸化物微粒子の均一化開発を行うと同時に,20nmクラスのα"-Fe16N2ナノ粒子磁気配向膜について磁気異方性を検討した。 1)窒化物微粒子の大粒径化と均一化前年度の研究で「アンモニア窒化」-「表面の部分還元」を繰り返す「繰り返し窒化法」が単一相により近づけるために効力を発することを見いだした。この年度では、γ'-Fe4Nナノ粒子についてさらによく単相に近づけるための条件を求めて、改善するに至った。 2)単相窒化鉄薄膜のアンモニア窒化による生成単相窒化鉄を得る方法として、酸化マグネシウム単結晶基板上にエピタキシャル成長した金属鉄を低温で長時間、アンモニア窒化する手法の研究を開始した。現在、γ'-Fe4Nの単相が得られる条件を見いだしつつあり、さらにα"-Fe16N2相の生成を試みる予定である。アンモニア雰囲気中に長時間さらされることから真空容器の劣化が顕著となったため、新規作製の準備・設計を行った。 3)窒化ナノ粒子を用いた磁気異方性の決定20nm程度の粒径を持つ微粒子を対象に磁気異方性の決定を試みた。磁場を印加して配向性良く固定することにより、一軸異方性の主軸を揃えた試料を作製した。異方性の大きさや分散の影響を考えて回転磁気トルクを測定し、磁気異方性を検討した。またこの磁気異方性は六方晶Coと同じ程度の大きさを示す。鉄と窒素だけで構成され重元素を含まない系での磁気異方性の出現機構として、双極子相互作用の効果を検証しているが現在の所、磁気異方性の主たる原因とは考えられない。
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Research Products
(2 results)