2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560668
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
鹿又 武 Tohoku Gakuin University, 工学部, 教授 (60048816)
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Keywords | 磁性形状記憶合金 / 磁場誘起相転移 / マルテンサイト変態 / ホイスラー合金 / 磁気相図 / 機能材料 / メスバウワー分光 / 強磁場 |
Research Abstract |
(1)Ni-Mn-In合金の組成-温度、圧力-温度及び磁場-温度状態図の作成 メタ磁性相転移を示すNi-Mn-In合金の磁化測定、初透磁率測定、X線構造回折実験を行い、組成-温度状態図を作成した。更に、上記合金のキュリー温度、マルテンサイト(M)変態温度の圧力効果の実験をAC法で行い圧力-温度状態図を作成した。また、強磁場下でM変態温度の磁場依存性の実験を行い、M変態を示す上記合金の磁場-温度状態図を作成した。 (2)Ni-Mn-In合金の磁気特性の研究 Ni-Mn-Inメタ磁性合金のメスバウワー分光実験を行った。種々の温度におけるメスバウワー分光スペクトルを解析した結果、M変態温度直下における磁気特性が常磁性状態であることがわかった。M相の低温における小さな自発磁化を持つ状態は磁化測定、メスバウワー分光測定の結果から推定して、リエントラントスピングラス相であると予想した。即ち母相強磁性相の中に反強磁性的クラスターが存在すると予想される。 (3)Ni-Mn-In合金におけるメタ磁性相転移の機構解明 M相における常磁性出現の起因を調べる目的で、上記合金の格子定数の温度変化をX線回折実験により調べた。温度下降におけるM変態に伴い、最隣接Mn-Mn原子問距離は急激に減少し、第2隣接Mn-Mn原子間距離が急激に増加した。上記合金内で主なる磁気交換相互作用は最隣接Mn-Mn原子間及び第2隣接Mn-Mn原子間に働く相互作用である。これらのMn-Mn原子間距離の急激な変化により、Mn原子間に働く磁気交換相互作用が急激に減少し、M相において常磁性が現れたと推定される。従って、M変態温度直下で磁場を作用するとゼーマンエネルギーの利得によりメタ磁性転移が出現すると推定される。
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