2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560669
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
吉原 章 Ishinomaki Senshu University, 理工学部, 教授 (40166989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 繁弘 電気磁気材料研究所, 主任研究員 (50142633)
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Keywords | ブリルアン散乱 / グラニュラー磁性膜 / スピン波 / 磁気励起 / 緩和 / 交換相互作用 / 電気抵抗 |
Research Abstract |
平成17年度に科研費基盤研究(C)交付金により、DPSSレーザー(波長532nm、出力100mW)1台を購入し、励起光源を水冷式Ar^+レーザー(波長488nm、出力20mW)から、DPSSレーザーに交換した。平成19年度は米国パーキン・エルマー社製高速APD光子計数モジュール(model:SPCM-AQR-16)を購入し、ブリルアン散乱装置に組み込んだ。これまで使用してきた光電子増倍管の量子効率〜10%に対し、APD光子計数モジュールの量子効率は波長532nmにおいて>50%であり、検出感度(∝研究効率)を大幅に改善することができた。 平成19年度、室温で磁化の緩和成分を観測した超常磁性Co_<51>Al_<18>O_<31>膜について、液体窒素までゼロ磁場中冷却を行い、1GHz〜100GHzの振動数範囲でブリルアンスペクトルを測定した。この試料のブロッキング温度は100K程度と評価される。室温で観測した緩和成分について詳細な測定を試みた。しかし、窒素温度では散乱強度の低下、および緩和時間の増大による準弾性スペクトル幅の狭小化のため観測が困難であった。ブリルアン散乱の場合、ゼロ磁場中冷却では速い磁化緩和のプロセスを観測することは困難であり、むしろ、磁場中冷却での測定が必要であることがわかった。現在、磁場中冷却によるブリルアン散乱測定を行うため、クライオスタットの改修を行っている。Fe-Al-O,Co-Al-O強磁性試料について東北大金研で電気抵抗の温度変化を測定した。その結果、低温ではマグノン散乱による電気抵抗から期待されるT^2項と構造の乱れを反映すると思われるlogT項を観測した。 平成17、18年度の研究成果(電気抵抗と交換磁場の逆二乗則)と今年度に行った電気抵抗の温度変化の結果を英文論文としてまとめて、投稿するための準備を進めている。
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