2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ及びマイクロインデンテーションにおける定常変形実現に関する検討とその応用
Project/Area Number |
19560670
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
藤原 雅美 Nihon University, 工学部, 教授 (40156930)
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Keywords | 計装化押込み試験 / べき乗則材料 / 擬定常変形状態 / 幾何学的自己相似性 / クリープ特性 / クリープ律速機構 / コントロールボリューム / インデンテーション |
Research Abstract |
高温の試料表面に円錐形圧子を押し込む際に,押込み荷重を圧子深さの自乗に比例するように制御すると,圧子直下の領域では相当塑性歪みの等高線が圧子深さに応じて自己相似性を保ちながら未変形領域に拡がっていく.このとき相当応力と相当塑性歪み速度の等高線も自己相似性を維持することから,押し込まれた圧子は相対的に同じ形の等高線によって囲まれ続けるため,擬定常変形状態の中に置かれることになる.このときの押込みクリープ曲線(押込み深さの時間依存性)を解析することによりクリープ特性値が抽出できることを,構成式の導出,FEシミュレーション及び実験により証明した.以下に,主な結果を列記する.(1)よく知られた硬さ値Hと変形応力Yとの関係H=3Yの類推から,押込み圧力をpとし,圧子直下の領域において相当応力がσ^^-=C_1p(∵C_1=1/3)となる所を代表点と定義する.この点群における相当塑性歪み速度ε^^<-^^・>と圧子の押込み速度ε^^・_<in>には,擬定常変形状態ではε^^<-^^・>=C_2ε^^・_<in>(∵C_2〓1/3.6)という関係が成り立つ.ただし,C_2値は圧子の形状や試料の応力指数などによって決まる定数である.(3)圧子の押込み速度を支配している領域をコントロールボリューム(CV)といい,これの試料表面での直径は圧痕の大きさの4.1倍である.(4)CV内における相当塑性歪みの平均値は<ε^^->〓0.04である.(5)擬定常押込みクリープ試験から得られたp-ε^^・_<in>の関係をσ^^--ε^^<-^^・>の関係に書き直すと,引張クリープ試験から得られている結果とよく一致する.また,この方法から得られたクリープ特性値は,従来の方法による結果と一致する.(6)押込みクリープ試験によって引張クリープの構成式を推定できることが示された.
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