2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸素欠陥の緩和機能を応用する新規セラミックスの研究
Project/Area Number |
19560676
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小澤 正邦 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (30252315)
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Keywords | 自動車排ガス / 触媒 / ランタン / セリア / 酸素貯蔵能 / 表面積 / ナノ粒子 / 複合粒子 |
Research Abstract |
蛍石型酸化物の酸素緩和現象でとくにCeO_2-ZrO_2系、Y_2O_3-ZrO_2系を中心に酸素緩和による擬弾性現象について研究し、あわせて酸素可動性を利用した触媒材料の物性研究を行った。ジルコニア及びセリア基各種組成をもつ粉末を共沈法によって合成した。これを酸素貯蔵能などの活性酸素評価に用いるとともに、焼結助剤なしで純粋な固溶体多結晶体を作製した。弾性測定では、強制ねじりモードでの観測を行い、周波数と温度を変化させながら、弾性率(剛性率)と内部摩擦を同時測定した。超音波法などで測定されたデータと比較すると、この内部摩擦と緩和現象は中温度域であらわれ観測しやすく再現性もよい。明瞭な周波数-温度依存性を示し、結晶内点欠陥の熱活性的な移動に相当することが、緩和時間と活性化エネルギーの測定からわかった。内部摩擦ピークの解析からこれらの緩和は単一でなく、複数の緩和の重畳したものであると推定された。すなわち、酸素欠陥の緩和で点欠陥と酸素間に1原子相当のホッピングのほかに、2倍程度の高い活性化エネルギーをもつ別の緩和モードがあることがわかった。この特異現象に注目して、高イオン伝導度を示す組成における酸素緩和現象を明らかにするべく考察を行っている。さらに、ZrO_2-CeO_2系について粉末状態での酸素の活性についてTPRによる放出酸素挙動により追跡した。その活性エネルギーーの比較からもバルク内と表面活性酸素の挙動を考察している。
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