2007 Fiscal Year Annual Research Report
温水処理を伴うゾル-ゲル法による層状複水酸化物薄膜の作製と配向制御
Project/Area Number |
19560680
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
忠永 清治 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (90244657)
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Keywords | 層状複水酸化物 / ゾル-ゲル法 / 温水処理 / 陰イオン交換体 / 薄膜 / 炭酸イオン / イオン伝導性 / 電極材料 |
Research Abstract |
層状複水酸化物(LDH)は、様々な陰イオンを層間に挿入できることが知られている陰イオン交換体である。このLDHは通常、沈殿として作製されるが、コーティング膜として様々な基材の上に形成できれば、LDHの応用が広がることが期待される。 本研究では、これまでに検討してきたzn-Al系LDH薄膜に加え、Mg-Al系、Ni-Al系およびCo-Al系LDH薄膜の作製について検討を行った。 MgO-Al_2_3系薄膜を作製し、この膜の温水処理によるLDHの析出条件の検討を行ったところ、中性条件下ではLDH結晶の析出は観察されなかったが、pH=12のNaOH溶液を用いて温水処理をおこなったときに最も多くの結晶が析出することがわかった。Ni-Al系の場合、ニッケルとアルミニウムのモル比が1:1、Co-Al系の場合、コバルトとアルミニウムのモル比が3:1のゾルを用いて作製した場合に最も多くのLDHの板状結晶が析出した。またNi-Al系の場合はpH=9、Co-Al系の場合はpH=10において100℃30分間温水処理を行うことで最も多くのLDHの板状結晶が析出することがわかった。この条件で作製したNi-Al系およびCo-Al系LDH薄膜は、共沈法で報告されているのと同様の酸化還元挙動を示し、電極として動作することを確認した。 一方、Mg-Al系LDHに関して、イオン伝導体への適用の可能性について検討を行った。層間の陰イオンを交換した試料について導電率測定を行ったところ、炭酸イオンを層間に含むMg-Al系LDHの方が硫酸イオンを層間に含むMg-Al系LDHよりも高いイオン伝導性を示すことがわかった。
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Research Products
(4 results)