2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560681
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
嶺重 温 University of Hyogo, 工学研究科, 助教 (00285339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 哲夫 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50347522)
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Keywords | アパタイト / イオン伝導体 / 燃料電池 / ガラスセラミックス |
Research Abstract |
仕込み組成La_10Si_6O_27で示されるランタンシリケート緻密結晶を調製し、導電率などの物性、高温における化学的安定性を明らかとした。特にSiサイトに微量の元素置換を施した緻密試料は1073Kにおいて70mScm^<-1>以上の非常に高いイオン導電性を示し、シリケート系の材料でこれまでに知られている中で最高の導電率を持つ材料の開発に成功した。本材料の特長である導電性の活性化エネルギーが低いことを考えれば、中温作動燃料電池電解質として有力な候補といえる。また水素、二酸化炭素雰囲気下で継続的に導電率測定を行った結果、本材料は化学的にも非常に安定であった。 この試料は導電性に異方性を持つと予想され、この材料の配向制御を行うことが出来れば、今後導電性の更なる向上が期待でき、高性能燃料電池の開発につながると考えられる。そこで本研究では、まず溶融法によりシリケートガラスの作製を行い、これを結晶化させる際に優先的にある面を一方向に析出させるという、ガラスを配向の場とする新しいセラミックス作製法を検討した。本年度はまず均質なガラス材料の作製を行った。具体的には白金るつぼ内にセラミックス作製時と同様の混合原料を入れて1873K、空気中で溶融させ、その後黒鉛鋳型内にキャストして急冷後、電気炉にて1073Kより徐冷することによりガラスを作製した。ガラス化の促進のために、また成長される結晶相のイオン導電性の向上を目指し、原料には予めCaO、Al(OH)_3等の第三成分を添加することを検討したところ、非常に均質なガラスの作製が行えた。次年度にこれの結晶化を行う予定である。
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