2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560681
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
嶺重 温 University of Hyogo, 工学研究科, 助教 (00285339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 哲夫 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50347522)
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Keywords | アパタイト / イオン伝導体 / 燃料電池 / ガラスセラミックス |
Research Abstract |
昨年度に合成に成功したランタンシリケート緻密結晶(仕込み組成La_<10>Si_6O_<27>)のイオン・電子導電率などの物性、高温における化学的安定性を明らかとした。特にSiサイトに微量の元素置換を施した緻密試料は1073Kにおいて70mScm^<-1>以上の非常に高い導電性を示したが、イオンブロッキング法から評価したそのイオン輸率は99%以上であることが明らかとなった。また水素、二酸化炭素雰囲気下での導電率測定を引き続き行ったが、本材料はこれらの環境下でも化学的に非常に安定であった。本材料の特長である導電性の活性化エネルギーが低いことを考えれば、本材料は中温作動燃料電池電解質として極めて有力な候補であるということが分かった。さらに今年度はこの材料に適用可能な電極材料について、その組成、作製法についての検討を行った。正極に(La,Sr)(Co,Fe)O_<3-δ>系、負極にNi-(Ce,Gd)O_<2-δ>系電子・イオン混合伝導体を用いたところ、その性能は良好であり、定常分極測定法により評価した電極過電圧は他の電解質材料に適用した場合の文献値とほぼ同様の低い値であった。以上から、良好な電極/電解質界面が構築できているということが明らかとなった。次年度はこの緻密電解質を用いた発電特性を詳細に評価し、結晶化ガラス電解質を用いた燃料電池性能を評価する際の参考値とする。 また昨年度、溶融シリケートガラスの作製を行ったが、今年度はその結晶化過程を検討した。具体的には1873K、空気中での溶融と急冷、電気炉内での1073Kからの徐冷によって作製したガラスを種々の条件下で結晶化させた。試行を重ねた末、非常に均質で、かつc軸面が優先的に成長した結晶化ガラスの作製が行えた。
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