2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガラスのミクロ構造と破壊現象-10kW級ファイバレーザーの実現を目指して-
Project/Area Number |
19560683
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
齊藤 和也 Toyota Technological Institute, 大学院・工学研究科, 准教授 (20278394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRANABESH Barua 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, PD研究員 (00410845)
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Keywords | ファイバレーザー / シリカガラス / イットリビウム / レーザー破壊 / フォトダークニング |
Research Abstract |
単一モード10kW級ファイバレーザーを実現するための障壁となっているホストガラスのレーザー破壊現象に関して、ガラスのミクロな構造と破壊現象の相関を明らかにし、その抑制法を開発することを目的に研究を進めている。本年度の成果を以下に記す。 (1)Yb添加濃度と破壊閾値の相関を明らかにした。Yb添加量が増えると破壊閾値は若干増大するが、予想していたほどの大きな差はない。 (3)X線照射による加速実験でフォトダークニングのYb添加濃度との相関を明らかにした。フォトダークニングが進むと破壊閾値が大幅に減少すると考えられ、破壊を抑制するためにはなるべくYb濃度が少なくしてフォトダークニングを抑制することが望ましい。 (3)Yb添加シリカガラスの構造とYbイオンの光学特性の相関を初めて明らかにした。ガラスの仮想温度が低くなると、Ybイオンの吸収および蛍光強度が減少する。これは、仮想温度低下とともにガラスがより均質になり(無秩序性=非対称性が減り)、解かれていた4f-4f禁制遷移の一部が本来の禁制遷移になるからと考えられる。 (4)ファイバレーザーを端面励起した場合、ファイバの温度はファイバ両端が高くなる。熱破壊などの閾値を越えないためにはファイバ全体で温度が均一となることが望ましいが、ファイバの長手方向に吸収係数が変わるようにプリフォームを作製することは不可能である。しかしながら、局所的に仮想温度を変えるだけで吸収係数を変えることができることにより、この問題を解決することが可能となる(特許申請)。
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Research Products
(6 results)