2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560686
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
磯部 雅朗 National Institute for Materials Science, 超伝導材料センター, 主席研究員 (10354309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 浩司 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主席研究員 (90354399)
胡 暁 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算科学センター, グループリーダー (90238428)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / 強相関電子系 / 磁性 / 電子顕微鏡 / 計算物理 |
Research Abstract |
本研究では、ペロフスカイトなど、種々の構造を持つ遷移金属酸化物を題材とし、計算科学の支援の下、超高圧等の極限技術を駆使することにより、未踏の物質である反強磁性ハーフメタルを物質設計・合成探索することを目指す。 反強磁性ハーフメタルは、完全スピン偏極材料であり、且つ外部磁場に対して容易に影響を受けないという特長を持つ。そのため、これを将来のスピントロニクスにおける磁場非反転のスピン偏極電流源材料として利用できれば、素子性能を格段に向上できる可能性が生まれる。 平成19年度は、主に、本研究代表者等が近年合成発見に成功した規則型ペロプスカイトSr_2Cu(Re,Ca)O_6をベースとして、その関連物質の中から反強磁性ハーフメタルの性質を示す物質の探索を行った。研究分担らが行った第一原理バンド計算による物性予測に基づき、平成19年度に、ReサイトへのW,Mo置換を行い、単相資料を得ることに成功した。さらに磁気的性質を詳細に調べた。しかし、解析の結果、W,Mo置換相は、磁気的ナノ相分離が起こるために電子状態の連続的な制御ができず、ハーフメタル化は実現できないことが判明した。 一方、バンド計算から、SrサイトへのK置換がハーフメタル化に効果的であることを指摘していたが、今年度、Rb置換相の電子状態を詳細に検討した結果、Rb置換相においても同様にキャリアの制御が可能で、ハーフメタル化の可能性があることが判明した。 今後、この知見を基に高圧法を駆使し、Srサイト置換に係る物質合成試験を行う。
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