2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560690
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾中 晋 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40194576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50161120)
藤居 俊之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (40251665)
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Keywords | 表面 / 界面 / 析出物 / 平衡形状 / 擬多面体 / 微粒子 |
Research Abstract |
Cu中のAg粒子は,その寸法が数十nm程度以下の場合には,{111}で構成される擬八面体となった.擬多面体形状を与える数式を用いて,析出粒子を含む材料の自由エネルギーが粒子形状の変化によってどのように変化するかを示す計算を行った。特に,これらの形状に関する1)弾性係数の異方性を取り入れた弾性ひずみエネルギー計算,および2)界面エネルギー密度の異方性を取り入れた界面エネルギー計算を行った.これらの計算を行う際には,多面体に近い粒子の角が鋭くなる際の計算誤差の問題に注意を払う必要があり,複数の計算方法の結果を比較することによってこれらの誤差の程度を評価した.これまでに得られた結果をまとめ,エネルギー論の観点から,安定な析出粒子形状に関する考察を行った. また,Cu-Co合金におけるCo粒子においては{111}以外の面で構成される擬八面体粒子も観察されたたため,これらの形状についての系統的な幾何学的評価を行うとともに,それらの形状が出現する理由を考察した.その結果,粒子形状の変化と安定性に関するエネルギー障壁に関する理解を深めることができた. さらに,粒子形状に加えて粒子寸法が材料内の応力状態や組織の安定性に及ぼす影響を議論する準備として,外力のもと,結晶粒径がバイモーダル分布となっている多結晶体に粒界すべりと拡散クリープが起こる場合について,その変形挙動と応力分布をマイクロメカニックスにより理論的に考察した.
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