2007 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー制御されたイオン衝撃によるアモルファス窒化炭素の超硬質化ダイナミクス
Project/Area Number |
19560699
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 治彦 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (70201928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80250984)
神田 一浩 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 准教授 (20201452)
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Keywords | アモルファス窒素化炭素 / プラズマCVD / マイクロ波プラズマ / ECRプラズマ / 反応解析 / 発光スペクトル / 電子プローブ |
Research Abstract |
マイクロ波プラズマ発生装置を用いてa-CN_x膜を作成した。Arのマイクロ波(2.45GHz,100W)放電生成物とBrCNを真空チャンバー内で反応させてCNラジカルを発生、Si基板上に堆積させてa-CN_x膜を作成した。基板ステージに外部から高周波(13.56MHz)電圧を印加し、負の自己バイアス電圧(-V_<RF>)を発生させた。これによりプラズマ中のイオン(主にAr^+)が基板に引き寄せられ、膜表面をイオン衝撃(以下IBと略記)することによって高硬度を達成させる。生成したa-CN_x膜の赤外、ラマン分光分析、超微小押し込み硬さ試験を行った。 Ar圧力0.1Torrの条件で最大硬度20GPaのa-CN_x膜が得られた。赤外吸収分光分析にもとづくと、高硬度を示す膜では水素終端構造が減少した。このことから、IBによって膜中の水素原子がはじき出されることがわかった。またラマン散乱分光分析では、IBを行わない軟質な膜ではラマンのピークは観測されず、強い蛍光のバックグラウンドが観測された。このことは一次元的な共役系が発達していることを示唆した。IBを施すと、蛍光のバックグラウンドはほぼ消失し二次元的な構造に起因するG-bandとD-bandが現れた。しかし、これらのピーク形状や相対強度は膜硬度に対して一定であったため、IBによってそれらの構造は変化していないと考えられる。このことからIBによる水素原子のはじき出しに伴い、一次元的な構造が直接三次元的な構造へと変化し、そのために膜硬度が上昇したと考えられた。 本研究と並行して、希ガスのECRプラズマを用いたBrCNの解離励起機構を調べた。その結果、CN(B)状態の生成機構はNe,Ar,Krプラズマでは高速の自由電子による電子衝撃、HeプラズマではHe^+からの電荷移動(He^++BrCN→BrCN^+)とそれに引き続く電子・イオン再結合(BrCN^++e^-→CN(B)+Br)により生成することを見出した。
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Research Products
(11 results)