2008 Fiscal Year Annual Research Report
ねじり戻し加工による黄銅棒の強化と応力腐食割れ防止策としての利用
Project/Area Number |
19560700
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
穴田 博 University of Toyama, 理工学研究部, 教授 (30019195)
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Keywords | ねじり戻し加工 / 引き抜き加工 / 原形回復 / アルミニウム合金棒 / α黄銅 / α+β黄銅 / 応力腐食割れ / 表面粗さ |
Research Abstract |
【ねじり戻し加工とは】 「ねじり戻し加工」は「ねじり加工」した材料に,更に逆方向に等量のねじりを行う加工法で、この加工法を施した材料では、外見上には加工の痕跡はほとんどみられず、原形回復し材料が強化されることが、各種かでアルミニウムウム合金棒、パイプに対する著者の一連の研究で明らからになった。また材料表面には応力腐食割れに対して有効な、圧縮の残留応力が生じることが実証できた。 【本研究の意義と目的】 現在は65/35黄銅(α黄銅)、60/40黄銅(α+β黄銅)の棒材の強化は、もっぱら引き抜き加工に依存しており、複数のダイスを使用して強化する複雑な加工法である。もし「ねじり戻し加工」が応用できれば、一定標点間距離を保ちながら材料の回転数をコントロールするだけで強化でき、甚大な効率化が可能である。またひき抜き加工材表面に引っ張り残留応力が残り、これが60/40黄銅の応力腐食割れの大きな要因となるため、腐食環境下のこの加工材の使用は制限されている。 そこで本研究の目的は1. 黄銅に対しねじり戻し加工による強化の適応性 2. ねじり戻し加工による60/40黄銅の応力腐食割れの改善とした。 【研究成果】 1. ねじりおよびねじり戻し加工により黄銅棒は強化が可能である。特にねじり戻し加工材では表面の粗さもほぼ加工前の状態に戻る。 2. 黄銅棒の横断面硬さは中心から外表面に掛けて徐々に増加する。 3. 60/40黄銅に於いては結晶粒径が大きい程ねじり戻しによる加工硬化量が大きい。 4. 各種加工棒に1/4テーパネジを埋め込みアンモニア雰囲気中における腐食試験を行った。その結果、ねじりおよびねじり戻し加工材ではひき抜き加工材に比べ、材料横断面の割れの数が多いものの、材料にとって致命的な表面割れの発生には至らなかった。 5. ねじりおよびねじり戻し加工は応力腐食割れ改善の効果は大きい。
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Research Products
(1 results)