2007 Fiscal Year Annual Research Report
高アスペクト比長大粒組織を有する高強度・高靭性Mo-ZrO_2系耐熱材料の開発
Project/Area Number |
19560704
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Research Institution | Research Institute for Applied Sciences |
Principal Investigator |
長江 正寛 Research Institute for Applied Sciences, 研究員 (60304341)
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Keywords | Mo-Zr合金 / 希薄COガス熱処理 / 内部酸化 / 粒界破面率 |
Research Abstract |
Mo材料の再結晶脆化を克服するために,本研究ではまず初めに多段内部窒化-真空加熱によって耐衝撃性に優れた長大粒組織を有するMo-Zr系合金を作製する.その後,これらに希薄COガス熱処理を施すことによって,高温安定性の高いZrO_2粒子を分散させ,高強度と高靭性を併せ持つ画期的なMo-ZrO_2系複合材料の作製を目指す. 本年度は,予め等軸粒に再結晶化させたMo-Zr合金について希薄COガス熱処埋条件の検討を行なった.CO/Ar=1/49の混合ガス中での熱処理を行った結果,1300℃以上では試料表面に脆いMo炭化物皮膜が形成しないことが分かった.例えば1400℃で9h希薄COガス熱処理したMo-1.0%Zr合金では試料表面から約100μmの深さまで硬さが連続的に変化する硬化層(内部酸化層)が認められた.こめ試料を液体窒素温度で破断させた時の破断強度は1330MPaであり,希薄COガス熱処理前(760MPa)に比べて約1.75倍の破断強度を有していることが分かった.SEM観察により粒界破面率(PIF)を見積もると,熱処理前が90.9%であるのに対し,熱処理後は74.6%に減少しており,希薄COガス熱処理により母相Moの結晶粒界が強化されたことを示唆している。破断強度と粒界破面率の熱処理温度依存性を検討した結果,1300℃以上では熱処理温度の上昇とともに破断強度が徐々に低下し,粒界破面率が増加することが分かった.しかしながら,いずれの熱処理温度においても熱処理前に比べて破断強度が上昇していたことから,希薄COガス熱処理はMo-Zr合金の高強度化に非常に有効であることが分かった.
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