2007 Fiscal Year Annual Research Report
中心対称変移型強誘電体における磁気秩序の発現にむけた結晶場の構築と機能素子設計
Project/Area Number |
19560707
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松井 利之 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (20219372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 大 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (80217322)
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Keywords | 磁性誘電体薄膜 / 磁気物性 / 誘電体物性 / エピタキシャル成長 / マルチフェロイック / ペロブスカイト酸化物 / パルスレーザー蒸着 / サイト置換 |
Research Abstract |
本研究は環境にやさしい新規な強磁性強誘電体材料を創製することを目指し、対象物質(Ba系ペロブスカイト酸化物)のカチオンサイトを、原子レベルで制御することにより発生する歪場や混成軌道の変化を利用し、中心対称変移型強誘電体に強磁性機能を付与させるための結晶場を構築することを目的としている.研究初年度は主として材料系の検討,薄膜の単結晶成長条件の確立,磁性及び誘電性の評価検討を行った.特に従前より検討をすすめている材料系である、Ba(Fe、Zr)O_3、Ba(CO、Mn)O_3系に加えて、Ba(Fe、Mn)O_3系物質についても上述した項目に対して検討を行い以下のような成果を得た. 1.Ba(Fe,Zr)0_3単結晶薄膜の磁性および誘電性の評価 種々のZr/Fe比を持つ単結晶薄膜を合成し、Zr/Fe=4付近の時に大きな磁気モーメントと優れたリーク電流特性を示す事を見出した.リーク特陸について、Zr量の増加とともにプールフレンケル型からショットキー型のリーク電流に変化する事でリーク電流密度が低下することを明らかにした.また、観察された磁性は、単結晶成長による歪場においてクラスター的に分散した4価鉄の超交換相互作用に起因するものであることを示した.これらの結果は同系の材料が優れた強磁性誘電体であることを示し、現在強誘電性を導く結晶場の構築について検討をすすめている. 2.Ba(Fe、Mn)O_3薄膜の単結晶成長条件の検討と磁気特性評価 Bサイトに複数の磁性イオン種を有するBa(Fe、Mn)O_3系物質の単結晶薄膜合成条件について検討し,製膜時の酸素分圧の適切な制御により結晶性の良い単結晶薄膜が得られ,非常に大きな磁気モーメントを持つ事を明らかにした.現在リーク電流の低減に向けた取組みを進めている.
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Research Products
(5 results)