2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560708
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 哲治 千葉工業大学, 工学部, 教授 (10296311)
|
Keywords | 磁性 / 有機物 |
Research Abstract |
本研究では新しい磁性材料として金属よりも軽量で耐食性が優れている炭素などの有機材料に注目した。これらの有機材料は磁性材料として注目されていないが、もし有機材料の磁気特性を付与した有機磁性材料として開発できれば、有機材料である特徴を生かし、素晴らしい磁性材料になるのではないかと思われる。そこで、本科学研究費の交付を受け、これらの有機材料の磁気特性について調べてきた。なお、科学研究費の交付を希望する期間内に有機磁性材料でありながら、従来の鉄をベースとした金属またはセラミック材料の磁性材料の飽和磁化に並ぶ程度の高い飽和磁化、言い換えれば永久磁石に吸引される程度の高い飽和磁化を有する有機磁性材料の開発を目標とする。 有機磁性材料としてはダイアモンドライクカーボン(DLC)、ポリ塩化ビニル(PVC)を熱分解した試料およびポリアクリロニトリル(PAN)を熱分解した試料などを対象に、その構造と磁気特性について詳細に調べたところ、これらの試料は作製条件によっては強磁性を示すことがわかってきた。特に、ポリアクリロニトリル(PAN)を熱分解した試料が目標とする永久磁石に吸引される程度の高い飽和磁化を有する有機磁性材料であることを見出した。その知見は本年度の研究成果として"Ferromagnetic carbon materials prepared from polyacrylonitrile"というタイトルで論文にまとめ、Applied Physics Lettersに投稿し、受理された。
|
Research Products
(1 results)