2008 Fiscal Year Annual Research Report
超小型・超省電力磁気センサのための金属-絶縁体ナノグラニュラーTMR材料の開発
Project/Area Number |
19560715
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Research Institution | Research Institute for Electric and Magnetic Materials |
Principal Investigator |
小林 伸聖 Research Institute for Electric and Magnetic Materials, 電磁気材料グループ, 主任研究員 (70205475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 究 財団法人電気磁気材料研究所, デバイス開発グループ, 主任研究員 (30133614)
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Keywords | 磁性薄膜 / 磁気抵抗効果 / グラニュラー / 高電気抵抗 / 省電力 |
Research Abstract |
金属-絶縁体ナノグラニュラー材料は、ナノメーターサイズの微細構造に起因する、ユニークな物性を示す。そして、わずかな構造の変化によって、膜特性は大きく変化する。膜構造は、成膜条件や膜組成によって変化し、成膜条件および膜組成を制御することによって、意図的に膜構造を変化させ、実用的にも有用な特性を示す薄膜材料を得ることが出来る。 本年度は、金属-絶縁体ナノグラニュラー膜の中で耐熱性が良好なFeCo-AlF系膜に着目し、その信頼性に係わる耐環境特性、特に耐熱性・温度安定性の向上を目的として、微量のSi添加の効果について検討した。その結果、Siを含まない場合に対し、約3at.%Siを含む膜において磁気抵抗比が増加することが分かった。さらに、加熱後の電気抵抗率と磁気抵抗比の値の変化を検討した結果、Siを含む場合において加熱後のそれらの値の変化は小さく、Siを含まない場合に対して、約50℃高い耐熱性を示す。これらの成果をまとめ、日本磁気学会において報告した。 また、膜構造はSi添加によって顕著に変化し、Siを含む膜においては、粒径が2〜3nmのグラニュールからなるナノグラニュラー構造のほかに、グラニュールが10〜30nmサイズに集団化した組織が形成されていることが分かった。
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