2008 Fiscal Year Annual Research Report
無加圧焼結可能な金属無添加の炭化タングステン基超硬セラミックスの開発
Project/Area Number |
19560719
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
泰松 斉 Akita University, 工学資源学部, 教授 (60125721)
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Keywords | 炭化タングステン / 炭化ケイ素 / 焼結 / 硬度 / 機械的性質 |
Research Abstract |
高い硬度と破壊靭性値を有する焼結性のよいWC基高硬度セラミックスを作るための基礎研究として, 通電加圧焼結により, WC-SiC基本系と焼結中に生成するW_2Cの機械的性質をまず調べ, ついで, WCの粒成長に及ぼすCr_3C_2とVCの影響を調べた. その結果, 次のようなことが明らかになった. (1)W_2Cは従来硬さに優れると言われていたが, 硬さ靭性ともにWCよりずっと劣っていた. (2)WCに対するSiCの添加は5 vol%が最も優れていた. (3)Cr_3C_2よりもVCの方がWCの結晶粒成長を抑える効果に優れていた. (4)VCはWCの焼結性を阻害するが, Cr_3C_2は改善した. さらに, これらの成果を基に, WC-5mol%SiC-1mol%Mo_2Cをベースに, 無加圧焼結条件下で, 結晶粒成長防止効果のあるCr_3C_2とVCの効果と最適添加範囲を調べた. その結果, 次のことが明らかになった. (5)Cr_3C_2の添加は粒成長を効果的に抑制した. 少量添加では, 焼結性を向上させ, 緻密な焼結体を作製することができたが, ビッカース硬さは最高16. 2GPaであった. (6)VC添加は粒成長の抑制には効果的であるが, 緻密化を伴わないため常圧焼結には適さなかった. (7)ボールミルによる湿式混合と脱脂後のCIP処理により, 焼結性が向上した. 常圧焼結において最も優れた作製条件は, 微粒のWC粉末を用い, WC-5 mol%SiC-0.3mol%Cr_3C_2を湿式混合後, 真空中で1800℃焼結することであった. この条件で得られたWC-5mol%SiC-0.3mol%Cr_3C_2焼結体は, 硬さは16GPa代と若干低いが, それ以外では十分な性質を備えているので実用化が可能と思われる.
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Research Products
(6 results)