2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560720
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
楠元 一臣 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80221927)
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Keywords | プラズマアーク切断 / 切断音 / ドロス / 溶融金属排出 / 切断品質 |
Research Abstract |
プラズマアーク切断中に発生する騒音をただの騒音として捉えるのではなく、これらの騒音に含まれる信号と切断溝開拓に伴う溶融金属排出状態の分析・解析によって、切断溝形成に伴う切断加工現象とそこから発生する加工音の特徴を抽出し、インプロセスで検出できる切断品質診断システムを実現するために検討した。 インバータタイプのプラズマアーク切断機を用いて、切断条件(切断電流、切断速度、トーチ高さ)を変化させて、軟鋼板を被切断材として切断を行い、切断中に発せられる切断音を無指向性マイクロホンにより集音した。同時に、デジタルビデオカメラを用いて切断溝から排出される溶融金属の状態を記録した。その後、両者の信号を信号解析ソフト及び画像解析ソフトを用いて切断音及び溶融金属排出の特徴を検討した。 切断音信号の解析には周波数解析(FFT)以外にも、離散ウエーブレット変換の拡張であるウェーブレットパケットによる解析を試みた。その結果、切断速度の変化に伴ってドロス付着状態は異なり、特に、ドロスがまったく付着しないドロスフリー状態においては高周波域に特徴的なピークが出現することが見出された。今回の結果は、溶融金属排出の挙動による影響以外に、切断溝内に形成される陽極点の複雑な変動がその原因ではないかと思われる。 今回の研究から切断音の特徴的なパワースペクトルを見出したことは、今後の音響による切断品質診断システムの開発において重要となるバンドパスフイルターの製作に役立つものと思われる。
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