2007 Fiscal Year Annual Research Report
層状コバルト酸化物の熱電特性向上のための高温塑性加工に基づく集合組織制御法の確立
Project/Area Number |
19560723
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
福富 洋志 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 教授 (90142265)
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Keywords | 集合組織 / 熱電変換 / (001)配向 / 比抵抗 / 結晶すべり変形 |
Research Abstract |
層状コバルト酸化物Ca_3Co_4O_9(Ca349)の高温加工による集合組織制御技術を開発するために、高温加工時の組織形成過程を、組織観察、集合組織測定、密度測定、クリープ試験、機械的微分試験などにより、変形機構を検討しながら実験的に調べた。組織の形成機構の検討、組織制御技術の開発と平行して、熱電特性の評価も行った。 Bi系層状コバルト酸化物では、粒子の塑性変形が容易に生じて緻密化と集合組織形成が進行するのに対し、Ca349では変形抵抗が大きく、緻密化は容易ではなかった。しかし、変形条件を選択することにより、概ね理論値と一致する水準までの緻密化に成功した。緻密化がBi系と比べて困難なのは、Ca349から他の構造への相変態温度が低いために、転位の運動による塑性変形が支配的となる変形領域が限定されることによると考えられる。最終的に歪み速度急変試験や圧縮試験中の徐荷再負荷試験の結果から、結晶すべり変形を有効に活用し、結晶回転させることができる加工条件の範囲を絞り込むことができた。この加工条件で処理した素材は、(001)面の極密度がランダムレベルの30倍以上に達し、比抵抗値も、単結晶の1.5倍程度のレベルになった。今回見出した変形条件の範囲で、さらに詳細に集合組織の発達度と加工条件の関係を吟味することで、さらなる熱電特性の向上が期待できると結論した。
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Research Products
(3 results)