2008 Fiscal Year Annual Research Report
ビレットのねじり調製を組み合わせたMg合金用低温・高速押出しプロセスの開発
Project/Area Number |
19560724
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
古井 光明 University of Toyama, 理工学研究部(工学), 准教授 (90262972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
會田 哲夫 富山大学, 理工学研究部(工学), 准教授 (20283062)
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Keywords | ねじり調製 / 押出し / 温間圧縮変形特性 / 変形双晶 / 結晶粒微細化 / 押出し低温化 |
Research Abstract |
ねじり加工を利用した押出し荷重の低減に伴う押出し温度の低温化,押出し速度の高速化を指向したねじり調製押出し加工プロセスの開発を行った。 破断までねじりを加えた試料には、ねじり開始温度にかかわらず、中心部,端部共に双晶が観察された。これはねじり加工によって双晶変形が起こったことを示す。双晶は中心部の方が端部よりも多く観察された。中心部で観察された双晶はレンズ状であり、引張双晶であると考えられる。端部において観察された双晶の多くは幅が狭い帯状双晶であり、圧縮双晶であると考えられる。前者は塑性変形の開始時に起こり、変形を助長する。後者は変形の終わりに起こり、応力集中の緩和を果たす。473Kのねじり開始温度で360°のねじりを加えた試料では、双晶と非双晶格子の間に86.3°のミスオリエンテーションを引き起こす。このことから、変形初期に現れるレンズ状の双晶が引張双晶であることが確認された。ねじりなし材に比べてねじり材は端部,中心部共に結晶粒径が減少した。中心部では双晶粒が増加したこと、端部においては双晶粒の増加に加えて、動的再結晶が原因であると考えられる。端部においてはねじり開始温度が高いほど結晶粒径が小さくなる傾向がある。 AZ31Bマグネシウム合金に破断までのねじり加工を与えると、変形双晶の出現や結晶粒微細化により、その後の圧縮変形に要する最大応力が低下することが温間圧縮変形試験とミクロ組織観察より明らかとなった。事実、623Kでねじりを開始した試料を523Kで圧縮すると、ねじりなしの試料に比べて約20%もの応力低下が認められる。また、試料に導入されたせん断ひずみ量が多いほど、最大圧縮応力は低下することがわかった。
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