2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560725
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
奥谷 昌之 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (00293605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 健司 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (30182091)
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Keywords | プラズマ処理 / レーザー加工 / ダイレクトパターニング |
Research Abstract |
プラスチックをはじめとした低融点材料の基板上への薄膜作製が求められている。本研究で用いる沿面放電法は大気中での放電が可能であり,大規模な装置が不要であることなど,低コストプロセスと考えられる。さらに沿面放電電極の形状による薄膜のダイレクトパターニングも期待されている。本研究では沿面放電法による透明導電性薄膜の作製を試みた。 まず,沿面放電時に発生する熱の影響で薄膜が作製するかどうかを検討した。3分間放電した場合においても最大で93.8℃にしか上昇せず,膜作製原料溶液であるDBTDA溶液やZn(NO_3)_2・6H_2O溶液の熱分解温度には及ばないことがわかった。一方で,このときの放電エネルギーは原料溶液の熱分解に充分なエネルギーが供給できることが明らかになった。また,放電時の雰囲気は大気中でも窒素中でも変わらないことがわかった。この結果を踏まえて,ガラス基板上にDBTDAエタノール溶液を塗布して3分間放電処理し,これを30回繰り返し行って製膜した。XRDから不純物が多数確認され,ラマンスペクトルからSnO_2の形成が明らかになり,乾燥物とは異なるスペクトル,表面形態となった。その後,水溶媒にて10分間超音波洗浄を行ったところ,不純物相が大幅に減少した。 酸化物膜の形成に成功したので,次に薄膜のダイレクトパターニングを試みた。電極パターンに沿って白結晶が形成されており,断面の厚さを測定したところ,電極パターンに沿って厚さが変化することを確認した。現在,ナノレベルでのパターニングを目指し,最適条件を検討中である。
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