2008 Fiscal Year Annual Research Report
超微細WCと高耐熱性バインダをその場生成させた精密切削加工用超硬合金の開発
Project/Area Number |
19560726
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
磯西 和夫 Shiga University, 教育学部, 教授 (50223061)
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Keywords | 超硬合金 / その場生成 / 固相焼結 / WC / FeAl / メカニカルアロイング / 硬さ試験 |
Research Abstract |
1) 20vol%のFeA1相を有する組成に調整した素粉末から、MA法を用いて合金粉末を作製した。真空ホットプレス法を用いて1100℃で固化成形し、その際の緻密化挙動を明らかにした。得られた焼結体にWC以外の炭化物が生成したため、高硬度(2112HV)にかかわらず低曲げ強さ1.38GPaを示した。また、バインダーの体積割合の効果を明らかにするため10vol%FeA1組成の合金粉末の作製を行った。また、WC-Co組成についても同様の検討を行うために、10vol%Co組成の素材を作製した。 2) 本研究で作成した新しい超硬合金の1000℃までの高温強度を検討するために作製した3点曲げ試験治具の調整を行った。2008年度に高温曲げ試験を行う予定であったが、温度測定に伴う不具合(熱電対を接合した試験片の絶縁の必要性)が発生したため、本研究で作製した超硬合金全ての高温曲げ試験を2009年度に行うこととした。 3) 溶解法ではほぼFe_3AlC相単相材の作成が可能であることを明らかにしたが、MA方法では若干のFeA1相が共存した。より均一に合金成分が分散するためと考える。固化成形した焼結体の室温〜1000℃の機械的性質を明らかにした。超微細組織を有するため、高温下では良好な延性を示した。また、高温X線を用いた検討から、Fe_3AlCとFeA1の2相の体積割合が温度によって変化し強度特性に影響を与えることを明らかにした。 4) 昨年度の検討を元に、Coをバインダーとして用いた超硬合金について、W、C、Coの素粉末からの目的とする相の温度上昇に伴う合成挙動について追加の検討を行った。
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