2009 Fiscal Year Annual Research Report
超微細WCと高耐熱性バインダをその場生成させた精密切削加工用超硬合金の開発
Project/Area Number |
19560726
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
磯西 和夫 Shiga University, 教育学部, 教授 (50223061)
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Keywords | 材料加工・処理 / 超硬 / その場生成 / 超微細WC / メカニカルアロイング / 高温曲げ試験 |
Research Abstract |
1)超硬合金に3種類の異なる結合相の生成を目的として出発材料を調整した混合粉末を500時間メカニカルアロイングして合金粉末を作製した。これらのMA粉末を真空ホットプレス法し、加圧焼結による緻密化挙動について詳細に検討した。加圧焼結の際の加熱によってin-situにWCと結合相が生成した。WCの生成によって結合相の成分の濃縮が起こり、WCと同時に結合相も生成すると考えられる。新相の生成時に緻密化速度が増加した。相変化は緻密化を促進することが明らかとなった。しかし、相変化後はWより低密度かつ高強度であるWCは見かけ上緻密化を抑制した。 2)過年度の検討において、Fe_3AlC合金単相材を得るための材料組成を明らかにした。WCに所定の体積割合のFe_3AlCを結合相として生成させることを目的として出発材料の配合を決定しMA粉末を作製したが、結果としてWC-Fe固溶体からなる超硬合金となった。 3)作製したWC超硬合金の室温から高温までの曲げ試験を行った。切削工具として旋盤のバイトを想定すると、刃先先端は1000℃程度に達すると言われている。従って、本研究では1000℃までの高温曲げ試験を行った。低温域ではいずれの組成の焼結体ともぜい性的に破壊したが、温度上昇とともに延性的な変形が生じた。WC-10および20vol%Co合金は1000℃において曲げ強さ398MPa、および333MPaを示した。結合相は合金特性に大きな影響を及ぼし、約26vol%のFe固溶体結合相を有する合金は、室温では1.7GPa、1000℃では206MPaの曲げ強さを示した。
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