2007 Fiscal Year Annual Research Report
第三元素添加によるSn-Bi系低温実装対応鉛フリーはんだの共晶組織微細化効果
Project/Area Number |
19560728
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上西 啓介 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80223478)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 武彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60379112)
荘司 郁夫 群馬大学, 工学部, 准教授 (00323329)
|
Keywords | 低温実装 / 鉛フリーはんだ / 共晶組織 / 微細化 / 延性改善 / 状態図計算 / 金属間化合物 / 添加元素 |
Research Abstract |
Sn-Bi共晶系はんだは、その融点が140℃と低いため、低温実装用材料として期待されている。しかし、その延性が乏しいことが実用化の阻害要因となっており、その改善が求められている。研究者らはこれまで、Sn-Bi共晶はんだに、1mass%以下のAgを添加することにより、共晶組織を微細化し、延性を改善することができることを報告した。しかし、温度サイクルによる熱疲労程度の歪速度域では延性が改善されたものの、落下衝撃のようなより早い歪速度域での延性は十分でなく、新たな合金の開発が必要である。本研究では、低温対応のSn-58Bi共晶鉛フリーはんだに、Ag以外のCu, Zn, Geなど添加する元素および量を変化させたはんだを作製し、基本特性である、融点、および強度・疲労特性などの強度特性に及ぼす影響を調べ、最も良好な特性を示す合金組成を探索した。その結果、元素添加によっても溶融および凝固挙動はほとんど変化せず、かつ0.5mm/sおよび3mm/sの歪速度でも引張り試験において、従来のSn-Pb共晶はんだののびである40%以上伸びるはんだ材料を開発した。はんだ材料はSnとBiの共晶組織に加えてSnと添加元素との金属間化合物相が存在するが、添加量を1mass%以下に制御することにより、金属間化合物の粗大化を抑制することができた。延性が改善した要因としては、添加元素によるはんだの共晶組織の微細化に加えて、添加元素とSnとの金属間化合物が微細にSnとBiの粒界に分散するためであることが、確認された。
|
Research Products
(1 results)