2007 Fiscal Year Annual Research Report
電析法による強磁性非晶質合金ナノワイヤーの作製とその磁気センサー素子への応用
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19560734
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大貝 猛 Nagasaki University, 工学部, 准教授 (60253481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 明男 長崎大学, 工学部, 教授 (00093401)
水本 将之 長崎大学, 工学部, 助教 (90325671)
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Keywords | 電析 / 磁性材料 / 非晶質合金 / ナノワイヤー / ニッケル / パーマロイ / モリブデン / メンブレンフィルター |
Research Abstract |
強磁性を有するニッケルおよびパーマロイに着目し、鉄族金属の合金としてのみ共析可能であるモリブデンを合金元素として用いて、微結晶または非晶質状態となるNi-MoおよびNi-Fe-Mo合金、更に、各々の合金ナノワイヤーの電析条件と得られた合金の組成、結晶構造および軟磁気特性との関連性を調査することを目的とした。電解浴は、モリブデン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸鉄、クエン酸から合成した。浴中のモリブデン濃度は0〜50atm%とし、酸性(pH1〜2)、アルカリ性(pH8〜9)の浴をそれぞれ作製した。陽極には純ニッケル板、陰極には純銅箔を貼った銅板を用いて、定電位電解法によりNi-Mo合金およびNi-Fe-Mo合金を銅電極上に析出させた。作製した試料を、断面SEM観察およびTEM観察した結果、合金中のモリブデン含有率の増加に伴い結晶粒は微細化し、非晶質状態へと変化することがわかった。次に、合金ナノワイヤーを作製するために、孔径200nm、孔の深さ60μmのアルミナメンブレンフィルターの片面に金スパッタしたものを用いた。電析を行う前にナノポーラステンプレートをエタノールと電解液に一定時間浸し、ナノボア中に電解液が浸透しやすくしてから、薄膜と同条件でNi-Mo合金およびNi-Fe-Mo合金ナノワイヤーを作製した。電析後、水酸化ナトリウム水溶液中でメンブレンフィルターを溶解し、金スパッタ上に残された金属ナノワイヤーの形状を、SEMにより観察し、VSMにより磁気特性を評価した。その結果、得られたナノワイヤーの形状は、テンプレートの形状を反映しており、高アスペクト比のナノワイヤーが形成できることが判明した。また、Ni-Mo-Fe合金試料は、薄膜・ナノワイヤーともに保磁力が小さくなった。これは、結晶磁気異方性の値が小さくなり、磁歪係数が0に近づいたからであると推察された。
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