2007 Fiscal Year Annual Research Report
微視的反応浸透による金属間化合物厚膜の整列多孔質組織の形成機構
Project/Area Number |
19560740
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大参 達也 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (90169061)
|
Keywords | 金属間化合物 / 多孔質組織 / マイクロチャンネル / 触媒担体 / 反応浸透 / 粉末冶金 / 液相焼結 |
Research Abstract |
アルミニウム細線を埋め込んだニッケル粉末成形体をアルミニウムの融点以上の温度で焼結する粉末冶金的マイクロチャンネル形成プロセスにおいて、マイクロチャンネルの内壁に生成する金属間化合物厚膜の特異な整列多孔質組織に着目し、その形成条件と形成過程を検討した。 整列多孔質組織の形成に影響を及ぼすプロセス因子として粉末成形体の気孔率に注目し、種々の気孔率を有する粉末成形体試料を用いて実験を行った結果、気孔率24%〜32%の粉末成形体を使用した場合、膜厚方向に長く成長した細孔が整列分布する多孔質組織が形成した。また、細孔の体積率は粉末成形体の気孔率が30%の時に最大となった(アルミ線径200μmのとき60%、500μmのとき46%)。さらに、粉末成形体の気孔率が低過ぎる場合には、反応浸透生成物が多孔質にならないことが明らかになった。本結果は、触媒担体に適した多孔質金属間化合物厚膜を製造する上で重要な指針を与えるものである。次に、焼結熱処理工程の途中の各段階で粉末成形体試料をウッドメタル浴に浸漬・急冷して、組織を凍結する実験を行い、マイクロチャンネルと金属間化合物厚膜の形成過程を調査した。厚膜は、アルミニウムの溶解後、アルミニウムとニッケル粉末領域の界面において比較的速やかに形成するが、アルミニウム融液自体は長時間に渡ってその場に留まっており、反応浸透によるマイクロチャンネルの形成には時間を要した。この結果は、Ni-Al系においては金属間化合物厚膜を介して行われる物質輸送が支配的であり、毛管現象によってアルミニウム融液がニッケル粉末間を浸透する機構がマイクロチャンネル形成をもたらしているわけではないことを示している。
|
Research Products
(4 results)