2008 Fiscal Year Annual Research Report
微視的反応浸透による金属間化合物厚膜の整列多孔質組織の形成機構
Project/Area Number |
19560740
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大参 達也 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (90169061)
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Keywords | 金属間化合物 / 多孔質組織 / マイクロチャンネル / 触媒担体 / 反応浸透 / 粉末冶金 / 液体焼結 |
Research Abstract |
Ni-Al系の粉末冶金的マイクロチャンネル形成プロセスにおいて、マイクロチャンネルの内壁に生成する金属間化合物厚膜の特異な整列多孔質組織に着目し、その形成条件と形成過程を検討した。 厚膜の組織に及ぼす第3元素添加の影響を調査するために、当初予定した板状合金犠牲コアの使用に換えて、別途開発した、より実際的な自由形状マイクロチャンネル形成プロセスを用いた。本プロセスでは、合金粉末や混合粉末を有機バインダと混合して可塑性または流動性を有するコンパウンドとし、これを成形して犠牲コアとする。犠牲コア金属としてAl粉末、Al-Cu合金粉末、Al-Cu混合粉末およびAl-Si合金粉末を検討した。 犠牲コア金属としてAl粉末を使用した場合、AI細線を犠牲コアとして用いた場合と同様の整列多孔質組織を有する厚膜が形成した。さらに、Al-33mass%CuおよびAl-55mass%Cu合金粉末を用いた場合も組織的には大きな相違はみられなかった。厚膜内の濃度測定の結果、AlおよびCuの傾斜的な濃度分布が確認された。一方、AlおよびCuの混合粉末を用いた場合は、細孔の膜厚方向への伸張が抑制される傾向があり、また、Cu拡散の遅れに起因して多種類のNi-Cu-Al系金属間化合物が観察された。また、Al-12mass%SiおよびAl-16mass%Si合金粉末を用いた場合は、厚膜は粒子の集合体のような組織を呈し、膜厚方向に長く伸張した細孔は観察されなかった。以上の結果は、犠牲コア金属の拡散過程が厚膜の多孔質組織の形成に大きな影響を及ぼしていることを示唆している。
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Research Products
(6 results)